MOVIE REVIEW 『ボヘミアン・ラプソディ』

2018.11.15 Thursday

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    違う、本当はコレを観る予定だったのだ。

     

     

    DVDスルー案件の謎の映画ばかりに出演するアカデミー受賞俳優ニコラス・ケイジ(以下NC)。

    随分前から離婚、多額の借金スキャンダルが取りざたされているが、古城、フェラーリ、恐竜の化石のコレクター、カルト&ホラー映画好きでアメコミマニア、好きなお店は「まんだらけ」。金の行方、未来への不安を恐れず、男の夢を全力で叶えにかかるNCに対するシンパシーは定期的に胸に去来する。そんな俺達のNCの最新作が「カルト教団にリベンジする血まみれバイオレンス映画」というもんだからそれはもう鼻息も×××も馬並みといった具合である。

     

     

     

    違う、『マンディ』の話では無い。

    あまりに周囲のすゝめが多かったので。

     

     

    初めてQueenに興味を持ったのはMTVで流れていた所謂代表曲達のMVだったが、どのアルバムから聴けばいいかさっぱり判らない。お金も無いし。

     

    そんなビギナーの私に中学当時親友だったメタル好きの安藤君が言い放った、

     

    「Queenで一番売れたアルバムは『Innuendo』らしいよ」

     

    という情報のみを頼りに、小遣いを握りしめ名古屋Parcoのタワレコに買いに行った事を鮮明に覚えている。


    が、一番売れた筈の『Innuendo』は正直当時欲している音では全く無かった。

    (フレディ在籍時のラストアルバムだと知るのは随分後であって)

     

    気に入ったのは”Headlong”, "These Are the Days of Our Lives"くらいで、しょうがなくこの2曲を繰り返し聴いていた。

    そんなQueen不完全燃焼の最中、兄が2枚組のベストアルバムを買ってきたのが沼の始まりだった。

     

     

    沼に足を突っ込んで以降今日まで、後にも先にも「Queenの様なバンドは二度と現れない」というのが理屈抜きでの持論だが、

    実際世界にはQueenに忠誠を誓った狂人的Army達が、ともすればThe Beatlesよりも多いのでは無いかと言われている。

     

    我々世代のアーティストなら、ポストQueenはMuseというのが妥当だろうか、だがThe Strokesのメンバーも全員Queenの大ファンである事を公言している。事実、初来日公演のLive前(これも名古屋のParco)、レコード屋でQueen『News Of The World』のレコードを手に取ってニコニコしているベースとドラムを目撃した。加えて大ブレイクした1st以降、リードギターの出音は明らかにブライアン・メイのそれだ。

     


    さて映画『ボヘミアン・ラプソディ』であるが、ファンファーレから奇襲を受ける事になる。

     

     

    ブライアン・メイの特許ギターアレンジで洗礼を受け、間髪入れず大歓声に包まれる『Live Aid』のステージへ向かうQueen一同の背中が映し出される。泣く。オープニングの"かまし"が成功した映画は大抵傑作と判断して構わない。

     

     

    物語は遡り、

     

    [メンバーの出会い]→[バンド結成]→[下積み]→[成功]→[金を得る]→[お薬とお酒と性行に溺れる]→[分裂]→[色々あって仲直り]

     

    バンド伝記映画の超王道を踏み外すことなく、私の様なひねくれモノにも「鼻につく」暇を与えないテンポの良さ、そして時代背景の作り込み具合、再現力(役者似すぎの件)は流石のブライアン・シンガー。監督自身がゲイ,マイノリティである事も作品に大きな力と深みを与えているのだろう、がしかし何よりフレディ本人の人柄、存在感、唯一無二と言えるフレディ・ムーブ、そしてQueenの曲の素晴らしさありきで成り立ち、傑作化した映画である事は疑い様が無い。実際IMAXで"ボヘミアン・ラプソディ", "サムバディ・トゥ・ラヴ”, "レディオ・ガガ"を聴いてほしい。それだけで十分とも言えるしファンは泣くしファンじゃ泣くとも腰は抜ける。フレディ前歯デカすぎへんか?という事も許せてしまう程に。

     

     

    鑑賞後、目をわずかに腫らし、鼻をすすりながら帰宅途中、数年前にAdam Lambert & QueenのLiveをSommer Sonicで観た事を思い出した。天気の悪さを理由に数曲で屋内に避難してしまった事を久しぶりに思い出し、久しぶりに後悔した。でも私はAdam Lambertより故George Michael派だった事も久しぶりに思い出し、久しぶりにQueenという名の底無し沼に還ろうと思った。

     

     

     

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