Alffo Records 対訳ピックアップ NO. ISOLATION BERLIN "KICKS"

2018.03.27 Tuesday

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    Alffo Records独占入荷、Isolation Berlinのセカンド・アルバム『Vergifte Dich』はリードシングル"Kicks"のインパクトもあり前作よりも好調なセールスを記録中。 『Vergifte Dich』とは英訳すると「Poison Your self」、どこかで聞いたなと思ったら岡本太郎の名著『自分の中に毒を持て』と同意なのである。

     

     

     

    フロントマンTobiasは作家としても活躍しており、ドイツ文学を代表する作家=ヘルマン・ヘッセやクライスト賞(ドイツの文学賞)受賞作家エルゼ・ラスカー=シューラーの影響を強く受けているという。という意味で彼の書く詞には大いに関心を持っている。

     

     

    が、ドイツ語が全く判らない。中国語を専攻しておきながらニーハオとシェイシェイしか覚えられなかったならばせめてドイツ語を専攻しておけばよかったユニバーシティ・ライフ。

     

    という事で彼等のサポートを続ける有能な女史に対訳を送ってもらいました。対訳ピックアップ番外編。

     

     

    Ich war schon überall

    Ich hab alles schon erlebt

    Ich hab alles schon gespürt

    Es hat zu nichts geführt

    Ich hab alles schon gespürt

    Es hat zu nichts geführt

     

    いろんなところへ行った

    あらゆることを経験した

    とっくに何もかも感じていた

    なのにそれは何も繋がらない

    とっくに何もかも感じていた

    なのにそれは何も繋がらない

     

    Alles was ich kenne, taugt mir nichts

    Ich brauche neue

    Ich brauche neue

    Ki-ki-ki-Kicks

    Ki-ki-ki-Kicks

    Kicks, Kicks

     

    私が知っていることは何も役に立たない

    新しいことが必要だ

    新しいことが必要だ

    K-K-K-Kicks

    K-K-K-Kicks

    Kicks

     

    Ich hab alles schon geliebt

    Ich hab alles schon gehasst

    Ich hab alles schon besessen

    Es war alles nur Ballast

    Ich hab alles schon verprasst

    Es war alles nur Ballast

     

    すべてを愛した

    すべてを嫌った

    すべてを手にした

    それはすべてただの重荷だった

    すべてを手にした

    それはすべてただの重荷だった

     

    Alles was ich kenne, taugt mir nichts

    Ich brauche neue

    Ich brauche neue

    Ki-ki-ki-Kicks

    Ki-ki-ki-Kicks

    Kicks, Kicks

     

    私が知っていることは何も役に立たない

    新しいことが必要だ

    新しいことが必要だ

    K-K-K-Kicks

     

    断絶、孤独、閉塞感。Isolationと名乗るバンドに相応しい、シンプルだが重く響く歌詞である。

    Isolation Berlinがどの様なバンドか形容するに膝を打つレビューがあったので紹介したい。

     

     

    「まるで『クリスチーネ・F』の世界から出てきた様なバンド、それがIsolation Berlinだ」By Der Tagesspiegel

     

     

    『クリスチーネ・F』はデヴィッド・ボウイが本人役で出演した事も話題となったドイツのカルト青春映画。

    少女のドラッグと売春をリアルに描いた本作はダーレン・アロノフスキー監督のウルトラ欝映画『レクイエム・フォー・ドリーム』に大きな影響を与えたであろう事は想像に難くない。ピュアで美しい若者達の「崩壊の過程」を見せつける本作は初見であれば相当な一撃を喰らう筈であろう。そして貴方が若ければ若い程手に取り鑑賞して欲しい映画でもある。

     

     

    話を戻すと、"Kick"の焦燥感とフラストレーションに反して同アルバム収録の"Marie"にはこんな美しい一節がある。

     

    Deine Augen

    Blinzeln ins Licht meiner Erkenntnis

    Das dir viel zu grell erscheint

    Du hast jetzt lang genug geweint

    Spür doch, es weht ein frischer Wind

    In Richtung Hoffnung und

    Dort steht ein Schiff für dich bereit

    Die Welt ist so unendlich weit

    Die Segel sind schon lang gehisst

    Ich will, dass du jetzt glücklich bist

    Ich will, dass du mich jetzt vergisst

     

    君の瞳は

    私の眼光の中で瞬きする

    それは君にとって眩しすぎるように

    いま君はもう十分に泣いたんだ

    新しい風が吹いているのを感じる

    希望に向かって

    君を待っている船がある

    世界はどこまでも広く続き

    吊り上げられた帆は長い間君を待っている

    いま私は君を幸せにしたい

    いま君に私のことを忘れてほしい

     

    全訳は端折るが、別れと、そして新たな旅立ちを示唆しながらも極めて叙情的であり美しい言葉が用いられている。

     

    女史によるとドイツを代表するバンドRAMMSTEINのキーボーディストはIsolation Berlinの大ファンで、サウンドはもちろん、退廃的でありながら美しい詞にも敬意を表している様だ。年齢も性別もジャンルも越える、それほどの力がIsolation Berlinの詞にはあるといえよう。

     

     

    Shame”Concrete"の対訳と並べてみても、今彼等の様な焦燥感を抱え綴る事は極めて普通の感覚だと思う。

     

    「原理的に考えて、どのような社会であれ、人間が作る社会が「完全性」に到達することは不可能である。また、システム自体の優位性を誇るシステムは、現状を維持しつづけること、それ自体が目標であり存在意義になってしまうからだ。

    (『映画のディストピア』より)」

     

     

    完全でない人間の作るシステムをもっと恐れなくてはいけない。

    この世界は「Kicks=起爆」するには既に十分な火薬に覆われている。

    そして貴方が若ければ若い程手に取り聴いて欲しいバンドなのだ。

     

     

    ISOLATION BERLIN / VERGIFTE DICH

     

     

    ISOLATION BERLIN / UND AUS DEN WOLKEN TROPFT DIE ZEIT

     

     

    ISOLATION BERLIN / BERLINER SCHULE / PROTOPOP

     

     

     

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