Alffo Records 対訳ピックアップ NO. SHAME "CONCRETE"

2018.03.07 Wednesday

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    <Text By Seiji Nakashima & Tina>

     

    今年初の対訳は遂に完成したテン年代末期の最終兵器。サウスロンドンのニュー・ワーキングクラスヒーローShameのデビュー・アルバム『Songs Of Prize』から、現代の"Lust For Life"とも言える"Concrete"をピックアップ。非常に抽象性が高い故はっきりいって訳者も私もかなり時間を要しました。そしてプレス待ちとはいえ、ゴリ押ししておきながら未だ再入荷を果たせていない自分が心底shameって感じです。もうしばしお待ち下さい.。

     

     

     

    [Verse 1]
    Do you feel alone (well sometimes I do)
    Do you feel replaced (feel like there's nothing at all)
    Fearing the unknown (stare into the abyss)
    Craving escape (waiting for the call)
    And are you really hurt (I pull the curtains close)
    Are you really here (I watch the paint run dry)
    Finding gold in the dirt (we can stay afloat)
    Measure money with fear (at least we can try)

     

    お前は孤独だと感じるか?(まあ時々な)

    何かに取って換わられたって気分か? (もう何も残されちゃいないって気分だ)

    見えないものを恐れ (どん底をじっと見つめ)

    もがき続けている (助けを待っている)

    お前は本当に傷ついているのか? (もう終わりにしようと思った)

    本当にここに居るのか? (じっと待ち続けている)

    はき溜めから金塊を探すかの様に (何とか生き延びて)

    怯えながら成功の尺度ってやつを測っている(少なくとも、まだやれる)

     

    [Verse 2]
    And is she with you now (no she's never around)
    Is she hearing me (not one little bit)
    Raise a plucked eyebrow (covered in concrete)
    Covered in concrete (just like dirt)
    Will the questions stop (I feel the temperatures rise)
    Will the answers end (I see another one coming for me)
    Monitored from the top
    As the unit bends

     

    今あの娘はお前の傍に居るのか? (いや、居ないね)

    あの娘はお前の話を聴いているのか? (何一つ聞いちゃいない)

    眉をひそめて (コンクリートの壁の中)

    コンクリートの壁の中 (まるではき溜め)

    質問はいつ止む? (体が熱くなってきたんだ)

    答えはいつ終わる? (もういっちょこっちにやってきているのが判る)

    権力者達の監視

    屈服させられるその他の者たち

     

    [Chorus]
    No more, no more, no more questions×2

    もう、これ以上、問いかけるのは止めろ!

     

    [Verse 3]
    And how does it feel
    How does it taste
    Would you rather it's real
    Or would you rather it's fake
    We can bring you up
    We can bring you close
    The time has passed for luck
    And now it's time for hope

     

    それでお前はどう思う?

    どんな味がしているんだ?

    お前は本物が欲しいのか、それとも偽りでも構わないのか

    俺達はお前を煽てることもできるし

    もっと近づけさせる事だってできる

    放っておけば運なんて尽きてしまうから

    今こそ希望を持つ時だ

     

     

    [Bridge]
    And I hope that you're hearing me×8

    俺のこの声がお前に届いている事を願う

     

     

    [Chorus]
    No more, no more, no more questions×2
    No more, no more
    No more, no more

    もう、これ以上、問いかけるのは止めろ!

    もう、これ以上!

     

    [Verse 4]
    And when the answers trickle thin
    You and I can finally think
    About the words in which we gave
    Were they condemned or were they praised
    What was their worth
    What was their mean
    Laugh as they simply meant nothing

     

    答えがポツポツと現れた時に

    お前と俺は考える

    俺達が放った言葉について

    それは非難されたのか、あるいは賞賛されたのか

    価値はあったのか

    意味はあったのか

    別に何の意味もなかった、って笑っちまうんだろうがな

     

     

    社会が不当に築いた規制の中で鬱積する若さ故のフラストレーション、だがその若さ故に、積極的に体制を破壊しようとする方向には向かわない。彼らにはまだ行動を起こす知恵も力も、そして勇気も持ち合わせていない。彼らを囲うコンクリートの壁はあまりに強固で高い。

     

     

    歌詞に注目すると、[Verse 2]までは「葛藤するもう1人の自分」と出口の見えない問答を繰り返す。

    (この自己分裂的な設定は『ファイトクラブ』を思い出させる)

     

    「どうする。やるのか、やらないのか。このままでいいのか。今のお前の人生なんてクソ以下だぞ。」

     

    無間地獄にも思えた焦燥感はこの曲の肝ともいえる次の一言で流れを変え始める。

     

    No more, no more, no more questions

    No more, no more, no more questions

     

    もう沢山だ。そして[Verse 3]以降カッコつきの声が消ると同時に、

     

    And now it's time for hope

     

    という、本曲で唯一といっていいであろうポジティヴなフレーズが放たれる

     

    諭す様に独白する[Verse 4]の歌詞の内容はまるで、"Concrete"という曲の存在そのものを、メタ的(客観的)にShame自信が自己分析している様にも聴いてとれる。ところが、微かな光明を見出しかけた矢先、ラストのフレーズではルサンチマンのお家芸とも言える強烈な「アイロニー」で締め括られあっぱれだ。

     

     

    英国の労働者階級の実態や彼等の気持ちを100%理解する事はできない (だから苦戦した訳だが)。だが、

     

    「長いものに巻かれるくらいなら死んだ方がマシ」

     

    という気持ちが奥底に潜んでいる私(実際事が起こればグルグルに巻かれても笑っているかもしれないが)にとって”Concrete"はそのシニカル性も含めて非常に共感しやすい内容であった。

     

     

    歌詞を何度も読み返して思い出したのは、スコットランドの作家アーヴィン・ウェルシュの『トレイン・スポッティング』、あるいはイギリス人作家アラン・シリトー『長距離走者の孤独』。2人に共通しているのは反権力的、あるいは反物質主義的な作風で知られる「作家界のワーキング・クラスヒーロー」である事。そして両作品共に映画化されているので興味があれば是非観て、読んでみて下さい。特に後者はPaul Wellerがバイブルとしている程の名著で私も大学の時に読みました。

     

     

    今からでも遅く無い。Shameと共にChoose your life.Choose your future.

     

     

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