MOVIE REVIEW "レヴェナント 蘇りし者"

2016.04.25 Monday

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    時を忘れるほど美しく雄大な大自然と残酷極まりない野蛮な殺戮の嵐


    ディカプリオが悲願のアカデミー主演男優賞を獲得したアレハンドロ・G・イニャリトゥの最新作"レヴェナント"は前情報や予告を遥かに上回る圧倒的な「映像体験」だった。



    あまりの「映像体験」に一度観ただけでは容易に語る事すら困難で、しかも「朝専用コーヒー」と銘打たれた缶コーヒー19時過ぎた今飲んでしまったためか随分気分が悪い(知らんがな)。だがしかし、

    劇場はもちろん、可能ならば極力IMAXで!!

    とだけは言わずにはおれない。


    ただそこにあるだけであまりに美しく巨大な大自然。その一方で思考を遥かに上回るスピードで展開する超弩級の戦闘シーンには映像の凄みと共に人類の愚行/蛮行がありありと描かれ、終始対比的に描かれるこのコントラストが映画に見事な緩急をつけている。決しておためごかしでは無い人体破壊と死の嵐には「よくぞきっちり描いてくれた。」と称賛するより言葉が無い。これには戦争映画の金字塔"プライベート・ライアン"を引き合いに出してもマズくは無いのではないだろうか。

    とにかく今回のディカプリオはボロ雑巾の様、では無く全くもってボロ雑巾そのものである。巨大なクマにズタズタに体中を引き裂かれて以降、悪漢トム・ハーディーの陰湿な虐め、次々に襲い掛かる先住民の攻撃、さらには過酷な自然の猛威を全身で浴び続けなければならないのである。この状況で最愛の息子まで殺されてしまうのだから、もはや「ディカプリオの受難」といっても過言ではない。メルギブソン監督作の「Passion=受難」では永遠にキリストが拷問を受けるだけの映画だったが、それと等しく、もう途中から度を越してしまって笑えてくるくらいのカタストロフに何度も見舞われては乗り越えなければならないのである。

    ディカプリオだけでは無い。共に鑑賞した友人と「これは半分スプラッタームービーだ」と言い合えてしまう程に臓物が露わになり人体が破損する。故に「気分を害した」という意見も散見するが、実際の戦争による殺し合いはこんなものでは無い筈だ。映画は「みせるもの」であって、特に今本作の様な史実にベースの作品からは作り手も鑑賞者も逃げてはいけないと思う。(レーティングも付いてる事だし)

    圧倒的な映像美に加え思考をフル回転させてくれる高密度なアクション。ディカプリオとトム・ハーディーといったトップスターの怪演。現行最高峰のディレクターに間違いないイニャリトゥと3度連続アカデミーをもぎとった撮影監督エマニュエル・ルベッキ。これだけの観るべきピースが揃っている訳なので、鑑賞を迷っている方、「暗そう」「難しそう」なんて思ってる方には是非観ていただきたい。イニャリトゥ作品の中では極めてストレートであるし、芸術作品としてもエンターテイメント作品としても最高峰だと思う。

    (短いうえに文が散らかっててすいませんが精一杯です、、)

    追記:
    上映の冒頭と最後によーく耳を澄ませて下さい。映画を補完する「ある音」が仕込まれてます。(そら耳でなければ)
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