Alffo Records 対訳ピックアップ NO. ALEX CAMERON "RUNNIN' OUTTA LUCK"

2017.10.22 Sunday

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    <Text By Seiji Nakashima & Tina>

     

    オーストラリアシドニー発。実に漫画的かつフィクショナルな存在感で今日が2017年である事を忘れさせてくれた珍ターテナーAlex Cameron。常聴きまくっている最新セカンド・アルバム『Forced Witness』から"Runnin' Outta Luck"をピック。

    想像通りの内容で笑ってしまった。

     

     

     

    There's a light in your hair, an apocalyptic glare
    We're in love again, we're in love again
    And it looks just like a comet, fire coming from it
    Oh baby, let's just sit back and stare
    We're in love again, we're in love again
    And I can't stop thinking 'bout it
    My favorite kind of fever
    When you tell me not to doubt it, I tell you I believe you

     

    君の髪は輝いている、世界が終わりそうなくらい眩しいよ

    俺たちは恋をしている、再び愛し合っているのさ

    まるで彗星のように、炎が出ているし

    だからベイビー、ゆっくり座って見つめ合おう

    だって俺たちは恋をしているから、再び愛し合っているから

    ずっと考えてしまうんだ

    俺好みの熱を帯びているんだから

    君は疑わないでって言うから、俺は信じるてるぜって答えるのさ

     

    [Chorus]
    I'm a man on a mission, you're a stripper out of luck
    And we're good in the back seat but we're better up front
    And there's blood on my knuckles 'cause there's money in the trunk
    Keep running out of luck, keep running out of luck

     

    ※俺はミッションを背負った男で、君は不運なストリッパー

    俺たちには後部座席も悪くないが、本当は最前席がふさわしいのさ

    俺の拳が血に濡れているのは、カバンの中に大金が入っているからで

    運を使い果たし続けているんだ(×2)

    [Verse 2]
    Now there's cash on a stage, doesn't matter what they paid
    We're in love again, we're in love again
    So please don't stand around me
    When she starts her dancing
    I'm feeling like I might catch a case
    We're in love again, I said we're in love again
    And I can't stop thinking 'bout it
    She's probably gonna leave you
    But she tells me not to doubt it
    And I'm starting to believe her

    Understand

     

    ステージには金がある、いくら払っても構わない

    だって俺たちは恋しているから、再び愛し合っているから

    だから頼む、彼女が踊り始めたら

    俺の周りには近づくな

    警察に捕らわれる気分になっちまう

    俺たちは恋しているのに、再び愛し合っているのに

    俺は考えることをやめられないんだ

    彼女がいつか俺を捨てるじゃないかって

    でも疑わないでって言われているんだ

    だから俺は信じることにした

    わかってきたのさ

     

    ※Repeat

     

    [Post-Chorus]
    In a neon boneyard, raised from the dead
    We'll bet on forever but we both know the spread
    And the smoke from your fire's going straight to my head
    So keep running out of luck, keep running out of luck

     

    ☆ネオンの墓場で、死者たちは蘇る
    俺たちはスプレッドを分かりながら永遠に賭け事をし続けるのさ

    君の情熱から出る煙は真っ直ぐ、僕の頭の中に入ってくる

    だから運を使い果たし続けているんだ(×2)

     

    [Bridge]
    Where you been?
    I been in the smoke
    Oh oh, oh

    (女)あなたはどこにいたの?

      (男)俺は煙の中にいたんだ


    ※Repeat
    Repeat

     

     

    「寄りを戻した男と女。俺はどうしようも無いヤツだし人生という賭け事にはいつか運が尽きる時がくる。それでも俺は今君を途方も無く愛している」

     

     

    と、簡単に要約してみただけで顔がマントヒヒの尻ほどに真っ赤になっている所で改めてAlex Cameronのハートの強さに震える。あまりに時代錯誤な詞は映画で例える所の『明日に向かって撃て』『ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー』の70年代逃避行もの(所謂アメリカンニューシネマ)、そしてそれらの影響下にある『トゥルー・ロマンス』『ワイルド・アット・ハート』といった所か。つまり非常にハードボイルドでロマンチック(?)な詞である一方、身も蓋も無い言い方をすれば甲斐性無いボンクラ男が自己陶酔の結果ロマンに溺れる話である。ANCの結末よろしく、運を使い果たした男の最期は「死」しか残されていない。

     

    "Runnin' Outta Luck"をリードとした今作『Forced Witness』に何故これほどまでの求心力があるのかというと、アメリカン・ニューシネマが時代のカウンターカルチャーの産物であったのと等しく、Alex Cameronほどナルシスティックで倒錯した世界観を提示するペルソナ、それ自体が現音楽シーンのカウンターに成り得ているからではなかろうか。例えば同郷Kirin J. Calinanはゲイ的、グラムロック的、あるいはトリックスターとしてアプローチする事でポップミュージックを別次元に昇華したが、それ自体は決して目新しい事では無い。だが今作のAlex Cameronは自らエクストリームな保守化を図る事で逆説的に革新性をまとってしまった事が非常に興味深い。曲自体に異常なまでの求心力がある事は大前提として。

     

     

     

    追記しておくと、Alex Cameronが今作でみせた音楽的変化は「David Lynch's Parisian club」(マルホランドドライヴにインスパイアされたパリのバー)でのパフォーマンスがFoxygenのJonathan RadoとSam Franceの目に留まりフックアップに至った経緯があるらしい。D.リンチにフォキシゲン。必然の出会いがオーストラリアに新たなヒーローを誕生させた。Alex Cameronの運はまだまだ尽きそうにもない。

     

    あまりに"Running' Outta Luck"のイメージにピッタリなエンディングなので

     

    ALEX CAMERON / FORCED WITNESS

     

     

    FOXYGEN / HANG

     

    Alffo Records 対訳ピックアップ NO. HAIM "WANT YOU BACK"

    2017.07.25 Tuesday

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      <Text By Seiji Nakashima & Tina>

       

      デビューアルバムで小さくない成功を手にしたバンドは膨大なプロモーション、ツアーの連続によって心身共に疲弊し、結果ダークサイドに陥る事がまま多い。既にリリースされているので多くの人が耳にし、心躍らせているだろうが、Haimの2作目『Something To Tell You』は全くもって、それら多くのバンドに宿命的に立ちはだかる「鬼門」を回避し、誰もが狂喜する(できる)セカンドアルバムを完成させた。「姉妹の絆」はあまりに強い。

       

      女性アーティストばかりで申し訳ないが(別に申し訳ないと思ってないが)優れた女性アーティストが次々と素晴らしい作品をリリースするので全然僕の所為じゃない。

       

       

      今回はHaim"Want You Back"。

       

       

      ・Haim

      Este Haim、Danielle Haim、Alana Haimの3姉妹によるインディ・ロックバンド。"Fallin'"、"Forever"、"Don't Save Me"とシングルを全ヒットさせ、デビューアルバム『Days Are Gone』を異例の大成功に導いた。「最も次作が待たれるガールズ・バンド」による最新作『Something To Tell You』を2017年7月リリース。長女Este Haim(Bass)がパフォーマンス中に繰り出す百面相はHaimの風物詩。

       

       

       

      Some things are long forgotten

      Some things were never said

      We were on one endless road

      But I had a wandering heart

       

      長く忘れられた事もある

      何も伝えられなかった事もある

      2人で終わりのない道を歩いていたつもりだけど

      でも私の心はいつも揺らいでいたの

       

       

      I said we were opposite lovers

      (Said it from the beginning)

      you kept trying to prove me wrong

      (Said you'd always see it through)

      and I know that I ran you down

      So you ran away with your heart

       

      私たちは正反対だったし

      (はじめから言っていたけど)

      あなたはそれは間違いだって言い聞かせようとした

      (全部お見通しだって言ってたわよね)

      あなたの事を悪く言ってしまった事はよく判ってる

      だからあなたは気持ちを抱えたまま去ってしまったのね

       

       

      ※But just know that I want you back

      Just know that I want you back

      Just know that I want you,

      I'll take the fall and the fault in us

      I'll give you all the love I never gave before I left you

       

      Just know that I want you back Just know that I want you back Just know that I want you,

      I'll take the fall and the fault in us

      I'll give you all the love I never gave before I left you※

       

      ※帰ってきてほしいのよ

      お願いだから私の所に戻ってきてほしい。お願いだから判ってほしいの。

      私にはあなたが必要で、二人の過ちは全て私が背負うから

      これまでに与えられなかった全ての愛をあなたに捧げるから※

       

       

      I know it's hard to hear it

      And it may never be enough

      But don't take it out on me now

      'Cause I blame it all on myself

       

      聞くのが辛いのは分かっているわ

      満たされる事なんで無いって事も

      でも今は八つ当たりしないでよ

      全部自分のせいにしちゃうから

       

       

      And I had a fear of forgiveness

      (Said it from the beginning)

      I was too proud to say I was wrong

      (Said you'd always see me through)

      but all that time is gone

      No more fearing control, I'm ready for the both of us now

       

      私はあなたを許すのが怖かったし

      (最初から言ってたでしょ)

      傲慢すぎて間違えも認められなかったの

      (あなたはいつも見通していたわ)

      でももう時は過ぎたから

      「支配」を恐れず、全てを受け入れる準備はできてるのよ

       

      ※Repeat※

       

       

      今回はあまり内容についてごちゃごちゃ言いません。

      ガールズ・バンドだから、という一面的な見方をせず、「"I"は男でも女でもどちらでもあって私であり貴方でもある」という視点で詠んでもらって、それで共感できなければそれまでかと。

       

       

      MVについて少し。ゴーストタウンの様な虚無的な街は先日他界したゾンビの父=ジョージ・A・ロメロ映画の様であり、Haim姉妹のダンスとも言えないダンスはとことんやる気の無いミュージカルみたいで、凄くカワイイ。

      監督は『Paper Town』で知られる実力派Jake Schreierだそう。

       

      『きっと、星のせいじゃない。』の原作者×『(500)日のサマー』のスタッフが贈る、キュートでビターな青春ラブ・ストーリー。

      オーランドに住むクエンティンとマーゴは幼馴染。クエンティンは幼い頃、初めて会ったときにマーゴに一目惚れ。

      しかし、成長するにつれて2人の仲は疎遠になっていた。ところが、高校卒業が数週間後に迫ったある夜、マーゴがクエンティンの部屋の窓から突然現れる。彼女は自分が二股をかけられていたことに腹を立て、恋人やその友人に対して仕返しを企んでいたのだった。クエンティンはマーゴの復讐を手伝い、楽しい一夜を過ごす。だが、翌日からマーゴは学校に登校しなくなる。彼女のことが心配でたまらないクエンティンは、ミステリー好きの彼女が残した手がかりを追って、居場所を突き止めようとするが…。(Filmarksより)

       

       

      なるほど"Want You Back"のMVにJake Schreierが起用された理由がちょっとだけ判る気がする。

      記憶が正しければ『Paper Town』は日本未公開だった筈なので折角なので観てみよう。(皆さんも)